大学院生だったことを忘れるくらい過密スケジュールで遊んでしまった。
昨日は朝から宝塚を見にいった。ジェニファ・ロバートソンというミシガン大学の人類学者が宝塚劇場のホモエロティズムついて書いているので、読む前に是非一度見に行こう、とアメリカにいたときから思っていた。太ってしまった今からでは想像できないが、母方の叔母が昔宝塚ジェンヌだったので、急にもかかわらず、前から15列目のいい席を取ってもらった。内容については書きたいことがありすぎるのでまたの機会に書いてみる。劇が終わったあとは隣にある手塚治虫記念館へ行った。これまた見ごたえがあるので宝塚に行かれる方は是非ついでに足を運んでもらいたい。 夕方からは大阪に住んでいる友達が開いてくれた合コンへ出向く。ピアノ教師をやっているという女の人が2人来た。今まで東京で参加してきた合コンはいい思い出がなかったけど、大阪の子のノリは違うので良かった。飲みだす前から親友のような気分になれる。しかも男が会話をリードするのが当たり前の東京とは異なり、落ちをつけたネタを女の子が連発してくれる。まあ、ようはダイスケ・ハナコな形になるってことだ。 終電がなくなったので友達の家に泊まりにいった。デューク大学で環境経済学の修士号を取った彼とアメリカの大学院について話をしているうちに、経済学と人類学の弱みをつつきあうことになってしまった。埒があかないのでプレステのサッカーゲームで勝負をつけることに。負けるたびに「今のは練習試合」と大人げのないことを言い張り、繰り返してるうちに朝の5時になってしまった。9時出勤の彼にはとても申し訳なかった。 朝から実家に戻ろうとするが、京都駅に着くと天橋立行きの特急列車が1分後に出発するというアナウンスが流れた。ここで瞬時にその列車に乗り込むことを決め、ホームまで全力疾走。汽笛が鳴っているときに滑り込んだ。車内で券を買うと特急料金が高すぎて少し後悔した。京都中部のひなびた山村を眺めてるうちに眠り込んでしまった。 天橋立に来るのは小学校の野球合宿以来だった。日本三景に選ばれているこの場所は松林の続く白浜が一本の道になって湾を防ぐ形になっている。駅前でレンタル自転車を借り、さっそく横断してみた。 昔の記憶はほとんどなかったのだが、おぼろげにすいか割りをした場所などが蘇ってきた。そして、よく松が連なる白浜を歩く夢を見るのだが、その景色がここで見た記憶が元になっていたのだ、と納得した。なくした物が出てきたようないい気分だった。 湾の反対側に着くと、たこ焼きとビールと茣蓙を買って引き返した。そして誰もいない浜辺に行ってパンツ一丁になり、青い日本海を眺めてビールを飲んだ。もう海を見てるだけじゃもの足りなくなったので、誰もいないことを確認してパンツを脱いで海に入った。沖に行って水死体のようにプカプカ浮いてみた。これが素っ裸なぶんだけ気持がいい。 「今年一番の海水浴を日本三景で(しかも全裸で)できるなんて今年はいいことになりそうだ」と思いながら、浜の方に戻ってみると、ある老夫婦が座っていた。出るにも出れないので困っていたが、さすがは老夫婦、暑さに負けて10分ほどで松林のほうへ消えていった。すかさずパンツを履いたのち、茣蓙の上で寝転んだ。真夏の太陽のまぶしさなぞ関係なく眠りに落ちた。 焼けるような皮膚の痛みで起きるとすでに3時半だった。4時半の電車にはまだ時間があったので駅前にある温泉へ行って汗を流すことにした。天橋立を一望できる露天風呂は、残念ながらその日は女湯限定だった。しかし、大きな甕の中に水を入れた奇妙な風呂が男湯の庭にもあったので、ずっとその中に浸かって焼ける肌を冷やしていた。空には鳶が舞い、日は少し弱まっていた。「あー極楽」、と水風呂に入りながら呟いてしまったのは生まれて初めてだと思う。 帰る途中、福知山という駅で電車を乗り換えなければいけなかった。そこはリンクにも張ってある友人Aの故郷だ。明智光秀が建てたという福知山城以外にはあまり特筆すべき点がない、いたって平凡な町に見えた。こんな平凡な町で育ったのに、なぜ彼があんな非凡な写真を取れる感性を見につけたのか不思議に思えた。 6時半に京都駅に着くと急いで木屋町御池のライブハウスに向かった。母親の知り合いの娘さんが、ボストンにあるバークレー音楽大学に今年から留学することになったので、先週会って話をした。昼飯をご馳走してあげた代わりに、彼女が出演するライブのチケットを頂いていたのだ。 3バンド出演していて、彼女のバンドは最後だった。てっきりジャズバンドだと思っていたら大違い。ホーン5名、その他5名のギャグ系ファンクバンドだった。なぜギャグ系かと言うと、 アルトサックスの人が妹から借りたセーラー服を着ていたりなど、皆ありえない格好をしていたからだ。彼女も恥ずかしそうに「がり勉めがね」をつけてペットを吹いていた。しかし、演奏が始まると度肝を抜かれた。皆見た目からは想像できない上手さであっけに取られてしまった。能ある鷹って本当に爪を隠すものだ。 彼女に礼を言って帰宅するともう夜の11時。寝る寸前だった父親にこの二日間の話をした。すると「お前は学者にはむいてないのかもなぁ」とギクリとするようなことを言われた。「これは休みの間だけの仮の姿なんや」と説得しても全く聞いてくれなかった。まあ、家に帰るたびに飲んだくれてるのだから仕方が無い。 東京に戻るまで後2日。後ろ髪引かれまくっている。 ■
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by fumiwakamatsu
| 2004-07-14 15:13
| 雑記
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