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文化の窓口について

異文化理解。よく聞くこの言葉。しかし、一体誰がその窓口となって
他の文化を紹介しているか具体的に考えるとじつに奇妙なもんだ。
お茶の間に登場するアメリカ文化代表のコメンテイターと言えば、
ケント・デリカット(古い?)とデープ・スペクターくらいだろうか?
日本語を流暢に話せて、見た目もそこそこで、「祖国」について語れる
アメリカ人となると、やはりどうしても数が限られてくる。

しかし、彼らがどれほどアメリカを代表できる立場にあるのか考えると笑える。
ケント・デリカットはアメリカの辺境ユタ州からやってきたモルモン教の宣教師。
デーブ・スペクターはシカゴでDJをやった後、上智の比較文化学部という
バイリンガル教育を行う場所でたまたま日本語が上手くなっただけだ。
そんな2人が「日本ではこうですが、アメリカではこうでです」という
紋きり口調で祖国を一般化し、「アメリカ文化」をテレビで語っていることになる。

アメリカ人に「日本人の知るアメリカ像ってユタのモルモン教徒に作られてるんだぜ」
と誇張して話すとかなり驚かれる。そりゃそうだ。この例えは失礼かもしれないけれど
青森の片田舎でずっと育った創価学会のおっさんが、偶然英語が流暢だという理由で
「日本文化」をアメリカに紹介したとすると、誰でも「ちょっと待て」と思うだろう。

異文化理解という標語を使って文化の窓口に立つ人を注意深く観察すると面白いものです。
by fumiwakamatsu | 2005-05-13 12:19 | 雑記
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