学科の同期であるAはエジプト系アメリカ人。
彼はカプティックというエジプトの中でも古来のキリスト教を信仰する 宗教集団(民族集団と言えるのかはよくわからない)の出身である。 この前の金曜日、彼のカプティック友達3人と一緒に食事をしに行った。 食事中、9・11テロの話になった。 テロの一週間後にカプティックの男性が1人刺殺された。 ただ見た目がアラブ系というだけでイスラム教徒と間違われたそうだ。 カプティックの間では差別に対する危機感でパニックが起こった。 そのニュースが伝えれた次の週、Aが教会に行くと驚くような光景を目にした。 教会の駐車場に留められた車には全て星条旗が掲げられていたそうだ。 中には「We Love America!」「United, We Stand!」というシールを貼った車もあった。 敵のイスラム教徒、として誤解されないようカプティックの人達は懸命に愛国心をアピールしていたそうだ。 「9・11のあと、最も愛国主義者になったのはカプティックかもね」とAは自嘲気味に笑っていた。 この話を聞いて、昔日本人の友達と一緒に車でアリゾナに行ったときのことを思い出した。 田舎のマクドナルドでハンバーガーを食べていたとき、ある白人のおっさんが話しかけてきた。 「お前達は韓国人か?」 「いいえ、日本人ですけど、どうかしましたか?」 「そうか、いや、韓国人なら一発殴ってやろうと思っただけだ。」 と言って去って行った。何故韓国人を憎んでいたのかは知らないが、 友人と顔を見合わせながら「日本人でよかったな」と言ったのを覚えている。 多文化主義なんて笑えるほど表層的なのはわかっていたが、 いざマイノリティーとして生きる危機に遭遇すると、笑ってもいられない。 敵として標的にされるのを避けるため、必死にマジョリティーの側に立とうとアピールしていくものだ。
by fumiwakamatsu
| 2005-01-11 08:31
| 雑記
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