最高のフィナーレ


京都では大文字焼きと言って、お盆になると市内にある8つの山に様々な文字を松明で描いてご先祖様を送るという儀式がある。そのうち最も北にあるのが「法」の文字の山だ。我が家から自転車で十分ほど。今日は「法」の中にあるカタカナの「ム」のかどっこの部分に行ってきた。これは地元民にしか知らない穴場である。

6時に山の麓で友達と待ち合わせた。急勾配な山を登ることおよそ十分、「法」の字が刻まれている斜面に辿りついた。そこには水タンクがあり、その上に登ると市内を一望することができる。

夕もやのかなたに京都タワーが見え、瓦屋根はオレンジ一色に染まっていた。蒸し暑いなか山を登ってきたので喉はカラカラだった。競うように二人でビールのふたを開け、「ほな、京都に乾杯!」と叫んで一気に飲んだ。ヒグラシの鳴き声がうるさいのにゴク、ゴクという喉元を通る音だけははっきりと聞こえる。プッハーと同時に飲み干すと、鳥の群れがくの字になって頭上を飛んでいった。この人生で5本の指に入るビールの美味さだった。

汗をかいたせいで酔いが回るのが早かった。

「罰当たるかなー?」と言いながら「法」の中にある「十」の交差点で立ち小便をした。「明日になったらポコ○ン腫れとるぞ」と友達は注意するのだが、彼も「小便ならサンズイやろ?」と言いながら「法」の一番上の点の部分まで行って豪快に立ち小便をした。

そして、「ご先祖はんすんませーん」と言いながら2杯目のビールを開けた。明日、ポコ○ンが腫れてないことを祈るばかりだ。

周りが暗くなるころにはすでに4本目を空けていた。さすがに暗闇の中を千鳥足で下っていくのは危ないので8時頃には山を降りた。

しかし、まだ飲み足りなかった。二人とも財布の中には千円札が一枚しかなかったので、「可愛い子がむっちゃおるバーが近所にあるから来いや」と言ってサラリーマンをやっている別の友達を誘いだした。そして、以前に一人で行ったバーへ向かった。

案の定、可愛い子なぞ一人もいなかった。でも今回はレーサーの代わりにおっさんのジャズバンドが演奏していた。リーダーである50歳くらいのピアニストが「わしらが京都のジャズ界をひっぱってってるんですわ」と、酔っ払いながらMCでしゃべっていた。そして池乃めだかがやる猫の物まね(吉本新喜劇を知らない人は理解できないでしょうが)をしながらピアノを弾いていた。ジョークなのか本当に上手いのかまったく判断できなかったが、おそらくこの人も爪を隠した鷹だと思う。こういう人が好きだ。

「出世払いでよろぴく」と言って、サラリーマンの友達に勘定を済ませてもらい11時には店を出た。そして各々の家へ戻っていった。

もう京都で思い残すことはないほど遊んだ。これで来年の夏まで大学院という巣窟に篭ることができる。

明日、祇園祭の鉾を一通りみたあと午後には新幹線で東京に戻る。
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# by fumiwakamatsu | 2004-07-17 15:18 | 雑記