30年経ち初めて知った衝撃の事実。酔っ払った父親が先日打ち明けたのだが、なんと父親はパイプカット(精管除去手術)をしていたそうである。5人目である自分が産まれた直後に受けたらしい。しかも、たまたまその時、切痔になっていたので、その手術のついでにパイプカットもしたそうだ。5人も子供を作っておいてから避妊手術をするというのも笑えるが、切痔の悪化するタイミング次第で自分も生まれてこなかった可能性があると考えると、さらに笑える。
酔っ払いの父親曰く、「お前なんか、わしが酔っ払ったときにたまたま出来た子供だ」そうである。パイプカットをすると告げられれたとき、母親は大賛成だったそうだ。 さて、酔っ払いの話はさておき、理想の子供の数について考えることがある。結婚したからというのもあるのだが(報告が遅れましたが3月に入籍しました)、今週の英語版TIMESに掲載されていた「一人っ子特集」という記事を読んで色々と考えさせられた。 不況が続くアメリカでこのような記事が載せられるのも納得のいく話である。アメリカでは子供1人を育てるのにかかる費用は平均2千500万円(大学の費用を抜きにして)。たとえ夫婦共働きであっても、景気の見通しが付かない現在では、2人目以降の子供を出産するのは躊躇してしまう。しかし、その反面、社会的通念として「1人っ子は可愛そうだ」という言説が流布している。1人っ子は、甘やかされ、我侭になり、寂しい人生を送る、という考えは、国を問わず、当たり前のこととして受け入れられている。子供が1人しかいない夫婦は、家族からだけでなく、周りの人間から「いつ2人目を作るんだ?」という問いを常に投げかけられるものである。 そこで、この記事は「1人っ子で何が悪い?」という論調を前面に出して書かれている。まず、19世紀後半のアメリカの心理学者が、全く科学的な根拠もないまま「1人っ子諸悪説」を捏造し、あたかも社会的病理として「1人っ子は悪い」という神話が生まれ、当時の中流階級に浸透していった点を指摘している。さらに、子供が多ければいい、という考えは、労働力として子供が役立った時代には説得力があるが、現在のように子供が高等教育を受けるが普通となり、自立した大人となるまでの養育期間が長くなると、夫婦にかかる負担は大きくなるので説得力が弱まってきている。そして、実際に1人っ子の社会性について統計的に研究している社会学者の調査を紹介している。複数兄弟がいる家庭の子供と1人っ子の行動・性格を比較検証してみたところ、特に1人っ子に限って不適切な行動・性格を備えるわけではないそうである。何をもって適切・不適切の境界線を引いているのかは疑問が残るのだが、この社会学者の説得力があった点がある。それは、たしかに複数の子供より、1人っ子のほうが親の愛情や時間を注がれる割合が高くなるわけだが、だからと言って、1人っ子が甘やかされたり、我侭になったりする可能性が高くなるわけではなく、むしろ、1人っ子のほうが自尊心が高く、大人になっても成長意識が高くなる、という点である。 この記事は、最後に、1人っ子でも偉業を成し遂げた歴史的人物(ルーズベルト大統領やエルビス・プレスリー等)を紹介し、子育てにかかる経済的負担、子育てと夫婦生活のバランス、そして夫婦のキャリア志向などの要素を考慮した上で、子供を1人だけにするか、それともそれ以上にするか、選択をすればよい、と締めくくっていた。 まあ、なるほどね、である。そこでいざ我が身に振り返り、一体何人子供を作ればいいか、と考えると、やはり難しい。当たり前ではあるが、このような判断をするとき、判断材料となるのは、自らが育ってきた家庭環境しかないからである。3人兄弟の長女として育った嫁は、やはり3人がベストだと考えているし、5人兄弟の末っ子として育った自分は、絶対に5人は多すぎる、と確信している。よく「子供の頃は兄弟が多くて楽しかったでしょ?」という質問を受けるが、そんなことはなかった。別に常に兄弟仲良く遊んでいたわけでなく、むしろ、自分は兄貴達を反面教師としていたので、子供の多さに惹かれることは何も無い。でも、1人っ子はさすがにな、と躊躇してしまう。たとえ少子化が進んでいる現在の日本でも、少なくとも2人は欲しい、という意見が多いんじゃないだろうか。 しかし、現在のところは1人っ子でもいいんじゃないか、というのが個人的見解である。まだ自分が定職に就いておらず、経済的に不安定だというのが一番の理由だが、たとえ状況が改善されたとしても、子供が1人だけのほうが家族としてのバランスが取れるように思う。今後も夫婦共働きであり続けるし、自分は家でも読んだり書いたりする時間が欲しいし、頻繁に家族旅行もしたいので、子供が1人以上だと子育ての喜びよりも負担の方が大きくなるように思う。先述の記事でも喚起を促していたのだが、1人目の子供が生まれ、子育ての喜びに感銘を受けて2人目を作る夫婦が多いのだが、同じような喜びを享受できる保障はない、そうだ。 まあ、パイプカットをする時期も含め、こういうことは嫁とじっくり相談して決めればいい話である。 #
by fumiwakamatsu
| 2010-11-03 15:14
| 雑記
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