<   2005年 10月 ( 13 )   > この月の画像一覧

二週目にて

TF2週目を終えて明らかになってきたのは、
生徒は読まされる本をいかに批判するかで
才能が発揮できると思い込んでおり、自分はいかに
本の内容に説得力があるか擁護する立場に回るので
見事に対立構造が出来上がってきてしまったことである。

今は「文化」という分析概念と「民族誌的手法」という
調査手段がどのように有効でありどこに限界があるか
ということを必死になって教えている。一番の問題は
古い本だからと言ってその内容が完全に否定される
わけではなく、その当時の時代背景、理論的土台、
そして著者がどのような主張に対立して新たな主張を
提示しようとしていたのか、を明確にした上で批判的な
眼差しを向けさせることだ。「民族誌的権威」や「再帰性」などの
言葉を簡単に使って優越感に浸ってもらっては困るのである。
過去のある分岐点で人類学が間違った方向に進んでしまった
と言うのならば、一体どのようにして間違いではない方向に
進めばいいのか、まだ同じ間違いを今でも繰り返していないか、
という点まで能動的に考えさせなければいけない。

まあ何はともあれ、挑発的であっても夢中かつ真剣に
議論に参加してくれているのは嬉しい。あとは、たとえ
入門コースと言っても生徒の知識にばらつきがある
ので、初めて人類学に触れて議論中に怖気づいている生徒達
をいかに取り込んで行けるか、という点だ。

しかし、教えるって体力がいるもんだ。木曜日の夜は疲れ果てて
何をする気にもなれない。やることは山積みなんだけれども。
[PR]
by fumiwakamatsu | 2005-10-08 03:23 | 雑記

秋刀魚日和

本日の献立

秋刀魚 6匹
ビール12本
[PR]
by fumiwakamatsu | 2005-10-02 14:17 | 雑記

去年に引き続き昨日は馬のコンサートへ行ってきた。

今回は彼1人でチェロを弾くのではなく、中国から中東に渡るシルクロード
沿いの民族音楽をアンサンブルで演奏して行くという趣旨だった。驚いたのは
アゼルバイジャンの音楽になったときである。スーフィー教徒の画家が音楽に
合わせて水彩画をその場で書き上げ、舞台の上に掲げられた巨大なスクリーンに
その絵が写し出されていた。白の印画紙に黒いインクをスポイトで垂らし、シャッシャッと
指の裏側で伸ばしながらリズム良く描いて行く。砂漠の中に聳え立つ城、パラソルのように
服を広げて回るスーフィー教徒、女性の踊り子などなど、まるで映画のコマを見ているようだった。

その後、イランの楽隊の演奏に合わせて馬さんがチェロを弾いてたのも良かった。
名前は知らないけれども馬頭琴のような楽器があり、渇いているのにとても深い音が
出るのが印象的だった。イランの楽隊は楽譜など見ずに、皆好きな音をヒョイヒョイ出し
ていた感じだったのだが、それなのに何故か調和がとれているのが不思議だった。逆に
馬さんと連れのバイオリニストの演奏のほうが、何か楽譜に縛られて物足りない気がした。

しかし、馬さんのすごいところは横滑りしながら主旋律の中に入ってくる点だ。
上手く説明できないんだが、主旋律が盛り上がった場所とは少しずれながら別の盛り上がり
を作っているという感じである。他の楽器を一番下のところ(音程の低さではなくて)で支えなが
らも独自の存在感を保っているのがすごかった。うーん、しかし、活字で説明しても何も伝わら
ないですな。「ヨーヨーマ;シルクロードジャーニー」というCDを是非聞いてみて下さい。
[PR]
by fumiwakamatsu | 2005-10-01 15:59 | 雑記