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内紛

b0017036_13103880.jpgうちの学長が現在危機に陥っている。
教授会が来週の火曜にも不信任案を提案し、
もし可決したら辞職するようだ。この話は全米の
メディアにも取り上げられるほどの大騒ぎになっている。

事の発端は学長が性差別発言をしたことだ。
「女性は本質的に科学に向いていない」というコメントをどこかでしてしまったらしい。
これで口火を切って、普段から学長について不満を感じていた教授陣が反撃を開始。
超保守主義の彼は以前から問題発言を繰り返しており、もう味方はほとんど残ってないようだ。
学長は、クリントン政権で大蔵大臣に準ずる役職についていた。
クリントン政権時代に発行された紙幣には「Lawrence Summer」という名前が印刷されている。
権力に慣れてしまった人間だから、左派の教授陣がいかに批判好きかわかっていなかったのだろう。

反撃の先頭に立っているのがうちの学部長K教授。
M教授も先日の教授会では学長の前で堂々と批判をしたそうだ。
しかし、恐いのは、万が一不信任案が通らなかったときのことだ。
これだけ人類学部の教授が表立って批判していたら、予算を削減されるんじゃないか?
もう学長が居残る間は1人も新しく教授を補充できることがなくなったりして。

これはなんとしても不信任案を可決してもらわねば。
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by fumiwakamatsu | 2005-02-18 13:09 | 雑記

慢性的下痢と便秘

高望みをし過ぎていたのかもしれない、と悩むときがある。
この大学院に来てから一体どれだけ地に足をつけて生きてるのかわからなくなった。
当たり前だが周りの院生は皆賢い。教授陣も素晴らしい。授業も新しいことばかり学べて楽しい。
しかし、だからこそ我が身を振り返るとあまりにも卑小で情けなくなってしまう。

英語はきつい。大学から英語で教育を受けていてもまだきつい。
学んだことはあまり記憶に残らず、なけなしの知識を出そうとしてもなかなか紙上に出てこない。
例え方は汚いんだが、まるで慢性的に下痢と便秘が続いているようなもんだ。
できるだけ養分を吸収しようとしても、咀嚼してる時間もない。

そして何よりも意思疎通が出来ていない。
周りは辛抱強くいてくれているのに、それを台無しにしている。
これは言葉の問題だけじゃないけれど、言葉の壁は小さいようで大きい。

昨日、修士試験の結果が来たときは複雑な心境だった。
むしろ落とされて、とっとと日本に帰ったほうがどれだけ楽だろう、と考えていた。
しかし、実家に戻ったところで待ち受けているのは両親の憐れみの眼差しくらいだろう。
そして、その優しい憐れみが逆に苦痛に感じるようになるんだろう。

ユートピアにいるということは、逆に幸せが失われるのかもしれない。
現実のユートピアには仮想の幸せしかなくて、その裏にあると信じる本物の幸せを求めて
常に飢えてしまうのかもしれない。一体どこに行けば満足するもんなんだろうか?

一体いつになれば思考から曇りが消えるんだろう。
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by fumiwakamatsu | 2005-02-17 12:34 | 雑記

ようやく名刺が作れます

学部の同期から「修士試験の結果も出たことだしパーティーしない?」というメールが届いていた。
はぁ?何?俺まだ来てないんですけど?ひょっとして俺だけ落とそうか教授陣がまだ議論してるんじゃないの?
と、かなり焦ってしまった。皆が祝賀パーティーをしているときに1人泣きながら帰国準備をする姿が頭をよぎる。

そこで同期に電話してみると、個人用アカウントではなく学科用のアカウントに送られているとのこと。
月1程度にしかチェックしないそのアカウントを開くと、メールボックスにはちゃんと試験担当教官のH教授からメールが届いていた。

んで、↓がその内容

Dear Fumi,

As chair of the General Examinations committee for the Social Anthropology
Wing in 2004-05, it gives me enormous pleasure to inform you that you have
passed the Generals. This result reflects your hard work and preparation,
and we look forward to further successes and achievements in the years ahead.

無事、合格してました!
36時間寝ずに書いた苦労が報われましたよ、、、。

文法やスペルミスが気になっていたが、提出前に
ルームメイトにチェックしてもらったのが功を奏した。
と、言うのも後で同期数人に電話すると、イギリス出身のH教授らしく、
「今後論文を書くときは文法間違いに気をつけなさい」
というコメントが付いていたそうだ。

しかし、合格したものの、一番最初に思ったのは、
「今後挫折しても”修士号”という肩書きは手土産にできるな」
という、とても後ろ向きな安堵感だった。いかん、いかん、こんなことでは。
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by fumiwakamatsu | 2005-02-16 12:58 | 雑記

ホームレスの後には

この大学は教授だけじゃなくて秘書の方々のレベルがとても高い。
おそらく修士号を持っているほど知的な方ばっかりなんだが、
それに加えて皆さん素晴らしく癒し系で院生を思いやってくれる。

今日は夏季研究費申請の相談のためにライシャワー日本研究所に行ってきた。
いつもお世話になっているRさんのオフィスに行くと赤いハート型のチョコが置いてあった。
こっちは今日がバレンタインであることすら忘れていたのに、泣ける気遣いだった。
その後も丁寧に履歴書・申請要綱・予算案の書き方などを教えてもらい、至れりつくせり。
今度、京都に帰省したときには必ずRさんに八橋を買ってこなければ。

せっかくライシャワーに来たので、東京のホームレスについて調査したAに挨拶しに行こう、
と彼女のオフィスに立ち寄ってみた。するとそこには何も置いてなかった。
Rさんに理由を尋ねると、Aはなんとシカゴのラジオ局に就職したそうだ。
この1年のポスドクで博士論文を出版することに専念していただけに驚きだった。
彼女は幾つかの大学の教授職に応募していたのだが、どれも上手く行ってなかったのは聞いていた。
しかし、Rさん曰く、決して嫌々就職したのではなく、本人もやりたい仕事だったので悔いは全く無かったそうだ。
去る前に一言くらい声かけてくれれば良かったのに。

と、少し感傷に浸るも、よく考えたら本を数冊貸したままじゃないか!
借りたものは返してから去れよな、おい!
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by fumiwakamatsu | 2005-02-15 12:53 | 雑記

神学部のパーティー

昨日は上智のときからの友人であるAの誕生日パーテーに行ってきた。
羨ましいことにゲイである彼は女の子のルームメイト3人と一緒に住んでいる。
「話題が合うから女の子のほうが気楽だよ」だそうだ。そうなのか。

しかし、みんな神学部なのにかなり乱痴気な雰囲気だった。
ショットをガンガンやって、煙臭いかと思えばマリファナ吸ってるし、
音楽かけて踊り始めればもう目も当てられないほどエロい踊り方だった。
と、言ってもAのゲイ友達と女の子というペアばっかだったので女の子としては
何も違和感がなかったのかもしれない。こりゃ入れんわ、と疎外感。

でも何人か面白い人に会った。
ゲイの人達が集まる教会で説教をしているゲイの神学生。
酔っ払ってたので詳しくは覚えてないんだが、
聖書がいかに同性愛を肯定しているか熱く語っていた。
あと日本人と白人のハーフの超綺麗な女の子。
相変わらず美人に弱いので会話が全くぎこちなかった。
最後に「一緒に踊りましょうよ」と誘われたものの、
「あー、ごめん、俺恥かしいからいいや」とつれない返事をしてしまった。
「そう、じゃあまたね、、」と1人でダンスフロアに行かれてしまった。
フロアではAが女の子と一緒に「駅弁」スタイルで踊っていて、
しかも女の子が男役でAが持ち上げられてハァハァした顔をしていた(こら!神学生!)。
どうしたらここまで恥を捨てれるものか、と少し羨ましかった。
まぁ、カーニバルだから象徴的逆転が起こっても仕方ないよな、
などと、こんなときにも人類学用語が出てくるのが悲しい。

誕生日ケーキと一緒にAがプレゼントをもらっていた。
1つは「Sorry Girls, I'm Gay」と書かれたステッカー。
あともう1つが吃驚したんだけれど、なんと食用パンツ(チェリー味)!
このときばかりは、さすが消費大国アメリカって感心してしまった。
「へへへ、誰にはかせよっかなぁ」と不気味に笑うAを見ながら、
6年前は一緒に上智の男子寮で暮らしていたことが不思議に思えた。

とりあえず、楽しかったです。
今日は二日酔いが酷かったけど。
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by fumiwakamatsu | 2005-02-13 13:14 | 雑記

すごい一文

The universal is the symbol of a missing fullness, and the particular
exists only in the contradictory movement of asserting a differential
identity and simultaneously canceling it through its subsumption
into a nondiffenrential medium.

Ernesto Laclau
”Universalism, Particularism, and the Question of Identity"より
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by fumiwakamatsu | 2005-02-11 14:56 | 文化人類学

告白します

今となっては恥かしくて言えませんが、

文化人類学を学ぼうと思ったきっかけは、

藤岡弘、探検シリーズだったのです。

だって人類未踏のはずの石器民族が

普通に腕時計してたんですよ?

気になって仕方ないじゃないですか。
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by fumiwakamatsu | 2005-02-10 14:06 | 雑記

悩む

困った。授業の履修で悩み果てている。
じつは今学期は少し楽して3つだけ授業を取ろうと思っていた。
確実に取ろうと思っていた授業は、
「文化と市民権」「グローバル化と文化」「考古人類学入門」
の3つなんだが、あと1つ取るかとるまいか悩んでいる授業がある。

それは「主観性の理論(Theories of Subjectivity)」という授業。
バイロン・グッドという医療人類学の教授とMITで教えているマイケル・フィッシャー
という「文化批評としての人類学」という有名な本を書いた人類学者2人で教えている。
なぜ悩んでいるかと言うと、この授業、読まされる量が半端じゃないのである。
一週間で最低3冊分は読まされる。しかも、その内容がフロイト、デリダ、ラカン、シジェクなど
いわゆる批評理論の超難解のものばかり。さらに2週間に1つブックレポートを提出。こりゃ物理的に無理な話である。

第一回目の授業である生徒が「この課題の量だと確実に全部は読めないと思うんですが、
一体どうすればよいのでしょうか?」と、当たり前の質問をした。するとフィッシャーは
「私がシカゴ大でクリフォード・ギアツの授業を取ったとき、一週間に出された課題の本は25冊だったんだよ。
もちろんギアツも生徒が読みきれないのは理解していたのだが、それでも自分が重要だ、と思った本は課題にせざるを得なかったんだ」
と、のたまわれた。んなアホなー、である。2人で教えているぶん、課題の量も倍になってしまったのだろう。

おそらくこの授業を取っても、将来の自分の研究にとって役立つ可能性はあまりないと思う。
でも、批評理論に関しては全く無知なので、体系的に学べるいい機会だな、とも思う。
しかし、この授業を取ると他の3つに十分時間を割けるかが心配。
明日には授業履修カードを提出せねばならない。うーん、どうしよ、、、。
マゾの血が騒いで、「もうどうにでもしてくれ!」ってな勢いで取ってしまいそうだ。あぁ。
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by fumiwakamatsu | 2005-02-09 12:05 | 文化人類学

プレゼント

キビヤックの話をしてくれた方が日本からお土産を持ってきてくれた。
手渡す時間がないので、共通の知人に渡しておいたから取りに行ってくれとのこと。
いったいどんなお土産を持って来てくれたんですか?と電話で聞いても、
「それは見てからのお楽しみですよ。賞味期限が迫ってますからお早めに」としか答えてくれない。
キビヤックの話が頭から離れなかったので、身構えながら共通の知人の宅へ昨日取りに行ってきた。

しかし、そのお土産はとてもストライクだった。
鰊の甘煮、ゆず湯の素、東北限定ラフランス味ハイチュウ。
じつは日本に帰られる前に「何かお土産欲しいものあります?」と聞かれてたんだが、
近所の日本食スーパーでほとんど買えてしまうので別に気にしないで下さい、と断っていた。
でも、見事にそのスーパーで売られてない品物ばかり。
しかも京都の年越そばには鰊の甘煮を入れるのを知ってらしたんだろう。
実家に帰れない不憫さを想い選んでくれたお土産に感動してしまった。

残念ながら、鰊は昨日が賞味期限だったので、そばはないものの
Super Bowlを見ながら(視聴率的には紅白と同じ)ビールのつまみに食っていた。
ゆず湯はまた疲れ切ったときにでも使おう。

しかし、女の子ってプレゼント考えるのが上手だ、といつも感動してしまう。
ある女友達は渡米前に体温計をくれた。こちらの体温計は華氏なので非常に助かった。
また別の友達は腰痛用のローラーをくれた。パソコンを使ってると前傾姿勢になって腰が痛いので毎日活用している。
なぜこちらのニーズをそんなに的確に把握してるの?と不思議になるほどいいものをくれる。

こちらももらってばかりでは失礼なのでこの夏に帰省したときはちゃんとお返しに手土産を持って帰った。

体温計をくれた友達には歯ブラシをあげた。
水着を着たムキムキ兄ちゃんの絵が取っ手に描いてあり、
体温で暖められると水着が透けてナニが見れる、という優れモノ。
これで毎日歯を磨けば彼女にもいつか男ができるはずである。

あと、腰痛用ローラーをくれた友達には「Mr.T in Your Pocket」というおもちゃをあげた。
ボタンを押すと、Mr.T(ロッキーの敵で出てきたモヒカンの黒人)の肉声で
「てめぇぶっ殺すぞ!」「ケツの穴広げてやろうか?」等等、パンチの効いた言葉が出てくる。
痴漢に合った時にすかさずボタンを押すと男もひるむはずである。

しかし、渡したときには2人ともすごい迷惑そうな顔で「ありがとう、、、」って言ってたな。
歯ブラシの子には「普通にハーバードTシャツが欲しかったんだけど」と言われてしまった。
しょせん「ゴキブリ繁殖級」と評価された男、そんな気の利いたものあげますかい。
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by fumiwakamatsu | 2005-02-08 13:09 | 雑記

ダリの謎

昨日はVさんMさん夫妻に招かれダリの展覧会に行って来た。
午後6時、ボストンの一等地にあるニューベリー通りのギャラリーへ車で連れて行ってもらう。
もちろん招待客は限定されていて、Mさんの友人である絵画コレクターの方に頼んで入れてもらった。
さぞかしボストンの上流階級セレブ達が集まるのだろう、とかなり内心緊張していた。

着いてみると意外とアットホームな雰囲気。来ている人も普通っぽかった。
我が家の自称画家である兄貴が昔からダリが好きだったので、
ダリの画集はたくさん見ていたのだが、一枚も知ってる絵はなかった。
エッチングの版画の上に水彩で色づけした絵がほとんど(詳しくは上のギャラリーのHPで閲覧できます)。
それでも一番安い絵で30万円から。一番高いのは1200万。恐るべし、ダリ。

絵も良かったんだが、ツマミにおいてあったパティが美味しかった。
空腹だったのでKさんと一緒にパティばかり食っていた。ありゃちょっと卑しく見えたかも。
パティが置いてある前にダリが15歳くらいの少女と一緒に庭のカウチに座っている写真があった。
VさんとKさんとこのかわいらしい女の子は誰だろうという話で盛り上がる。

Kさん「ダリの娘じゃないの?」
自分「ダリに娘っていたっけ?かわいいからモデルで来てた女の子じゃない?」
Vさん「いや、ひょっとしたら奥さんかもよ。89歳のダリと17歳の奥さんなんてありそうじゃない?」
と、勝手に憶測してたところ正体は↓の真ん中にいるフランス人女性の若い頃の姿だった。
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このアーギレット女史のお父様が画商としてダリの絵を買い付けていて、
幼少の頃、毎年夏にはスペインのダリ家で休暇を過ごされたそうだ。
今回の展覧会も彼女がお父様から引き受けたダリの絵を出していた。
途中で彼女の講演が始まり、幼少の思い出、ダリの裏話、秘蔵の画集などの話を聞けて面白かった。
初めて聞いた話なんだが、ダリには出生前に無くなった兄が2人おり、その2人とも彼と同じくサルバドール・ダリと命名されていたそうだ。
死んだ兄の墓参りするたびに、ダリは自分の名前が刻まれているのを見て、自己の中に兄が宿っている感覚を持ったそうだ。
幼少の頃からそんな感覚を持っていたらならあの深層心理を覗くような絵が生まれるのも納得、と思った。
しかし、上の写真、左端の院生2人はやはり顔が固い。人とあまり接してないのがわかりますな。

帰りはチャイナタウンに行って飯を食うことに。
Mさんとお友達の2人は中国系ペルー人なのでスペイン語で会話。
Vさん、Kさん、自分は日本語で会話。そして2つのグループが英語で会話したときは
将来アメリカで子育てするときは一体何語で育てるのがいいか、話あってた。
いきなり館内が暗くなったので、何事かと思えば隣に座っていた黒人一家の
子供が誕生日ケーキをサービスされていた。差別かもしれないけど、誕生日を
中華料理で祝う黒人の家族がいるのか、と少し驚いてしまった。

とにかく、ダリの後は人種の坩堝を経験したってことで。
(あ、あと蒸し牡蠣が安くて超美味かったです!!)
VさんMさん、先日のウチナー料理に引き続きありがとうごさいました。
後誰も気付いてないかもしれませんが、右上のNightworkの絵、ダリです。
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by fumiwakamatsu | 2005-02-07 12:25 | 雑記