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積年の思い

受験勉強をしていた頃、村上春樹の小説を読み漁り、東京で送る大学生活について夢を馳せていた。
貧乏仲間が寄り添って鍋を囲み、政治から恋愛まであらゆる事を話してるうちに夜が白けていく。
そして、ドテラを着て近くの銭湯に行き酔いを醒ます。あとは雑魚寝して授業なんかそっちのけの毎日を送る。

何の因果か、両親に寮へ入ることを強制されたのでこんな大学生活は夢に消えた。
寮は寮で良かったのだが、やはり鍋をしたかった。心地良い狭さの空間で募る腐れ仲間みたいなのに憧れた。
ようやく1人暮らしができるようになったと思ったらアメリカに来てしまった。鍋は買ったものの日本人が周りにいない。
つくづく鍋運がないと嘆いていた。

しかし、最近ようやく鍋を囲める友人が増えてきた。
先週に引き続き、今日も日本人仲間を呼んで我が家でおでんをした。
好きな音楽かけて雑多な話をして泥酔する友人がいる。
ああ、これが長年願ってた風景だな、と納得した。あとは銭湯さえあれば完璧なのだが。

ボストンはすでに雪が降り出す寒さになったのでこれからは鍋をしまくりたい。
あとはどうやって時間を作り出すかが問題だ。鍋運の強い人間になりたい。
by fumiwakamatsu | 2004-11-14 16:10 | 雑記
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