モノガミーにモノ申す

異性の相手を1人だけ選んで生涯ずっと一緒にいるのが結婚なのか?人類学を学ぶ者ならお
そらく否定する。イスラム圏では一夫多妻が認められているし、チベットには一妻多夫(ただし男
は兄弟に限定)という形もある。インドネシアのある部族では異性間で結婚するものの、夫婦と
もに同性のパートナーなら婚外の性的関係が許されているところもある。日本も昔の武将など
は妻と男の妾を持っていたのだから、異性間の一夫一妻制というのはある社会のある特定の歴
史的文脈で定着しただけで普遍的な制度ではない。

では、もし自分がある女性に対して一生を捧げたいという感情が起こったとすると、果たしてそ
れは自分の本心から起こっているのか、それとも一夫一妻制を義務化する社会のイデオロギ
ーによって作られた感情なのか、と考えてしまう。頭では後者の理由を肯定しながらも、いざそ
れに対抗して何かしらの実践に移すのは難しい。しかし、中には実践出来ている人もいる。

うちの学部にすこぶる秀才の先輩がいるのだが、彼は同じく人類学を学ぶ女性と結婚した。しか
し、奥さんは婚後に自分がレズであることに気付き、別の女性と関係を持っていることを彼に打
ち明けた。2人とも夫婦関係を解消する気はさらさらなく、結論は、「一夫一妻制があるから初め
て浮気が悪となるのであって、浮気そのものが悪いわけではない」ということで、お互い婚外交
渉も自由な夫婦関係を続けている。浮気に伴う嫉妬という感情すらも乗り越えているのだから、感心してしまう。

こう書くと勉強し過ぎて頭がおかしくなったんじゃないか?と、思われるかもしれないが、真剣に
人類学を勉強するとこうなるのも仕方ない。
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by fumiwakamatsu | 2007-12-10 16:02 | 文化人類学
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