マリノウスキー的状態

修士修了試験の問題の1つにこんなのがあった。

「人類学の発展は戦争の勃発に大きく影響されて来た。過去に起った
4つの戦争の例を挙げ、それに伴う人類学のパラダイムの変化を説明
しなさい。」

人類学をやっている人なら誰もが知っているのはマリノウスキーの例。
第一次世界大戦が勃発した頃、オーストラリア国籍を持つ彼はイギリスの
大学に所属していたが当時オーストラリアに調査に出かけていた。しかし、
敵国出身であるためにイギリスへの帰国が許されず、仕方が無いので
当時オーストラリアの領地であったパプアニューギニアのトロブリアンド島で
長期の調査を余儀なくされる。これが人類学でフィールドワークという
手法が”偶然にも”定着した理由だとされている。

どうやらこの話は過去の遺物ではなく現在も続いているようである。

http://www.thecrimson.com/article.aspx?ref=516819

イラク国籍を持つ学部の先輩が現在アメリカに帰るためのビザが発行されず
カナダで足止めを食らっているらしい。彼のパスポートは旧フセイン政権のときに
発行され、アメリカの移民局はそれを無効だとして入国を認めていない。そして、
もし再度ビザを発行して欲しいならば、イラクに戻って現政権の下で発行された
パスポートを取得するよう通告した。当たり前だがイラクに戻るのは不可能な話だ。

記事によると彼だけでなく新たに雇われたパキスタン国籍を持つ助教授もビザが
認められず、今もパキスタンで足止めされている。彼が受け持つことになっていた
今学期の授業はキャンセルされる可能性があるらしい。

同じ大学を卒業したアホな大統領のせいでこんなとばっちりを受けるとは。早く
彼らの状況が改善されるよう願って止まない。
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by fumiwakamatsu | 2007-02-09 10:35 | 文化人類学
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