安らかにお眠り下さい

まだ耳鳴りが続いている。
冬風に身を縮ませて帰宅したのが夜中の1時半。この時間でも外はまだまだ賑やかだ。
町中で車のホーンが鳴り響き、通り過ぎる人たちがハイタッチを求めて手を上げてきた。
たぶん、ボストン中がここまで喜びに溢れたことはなかったんじゃないだろうか?少なくとも過去86年間は。
負け惜しみじゃなくて「Yankees Suck!」と叫べることほどボストニアンとって幸せなことはない。

前回と同じFaneway Parkの近くにあるピザ屋でKさんと待ち合わせた。
席が空くのを待っている間にBoston Globeの記者からインタビューされた。
「松井がヤンキースにいるのにレッドソックスを応援してくれるなんて!」と興奮した記者は
必ず明日の朝刊に記事が載るから、と言ってくれた。楽しみだ。

今日の試合は序盤に大量得点してくれたので気楽に見れた。
不振だったデーモンが二打席連続ホームランで一気に8点。
もうカブレラが四球で塁に出るだけで大歓声が沸いていた。
昨日の接線は見てるだけで寿命が縮みそうだったのに
(Kさんは頭に血が上りすぎて頭痛がひどかったらしい)
終盤にはさらに2点追加し、バーの中では楽勝ムードが漂っていた。

九回の裏ツーアウトになったとき店の中は最高潮に達した。
すでに泣き出す女の子やベロベロに酔っ払った男たちが騒ぎまくっていた。
そして、とうとう86年ぶりにその瞬間が訪れた。
最後はセカンドゴロで難なく裁いて終了!
もう店内は地鳴りだった。叫び声とハグとビールのしぶきで何がなんだかわからなかった。

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人ごみに混ざってKさんとFaneway Parkに向かった。
馬に乗った警官隊の横をパンツ一丁の兄ちゃんが走ったり、
空には店から盗んだと思われるトイレットペーパーが飛び交い、
アメリカ人の興奮ぶりに引いてしまう小心者の日本人2人だった。

「いいタイミングにボストンに留学できて良かったね」
と、お祭り騒ぎのなかKさんが囁いたとき、本当にそうだ、と思った。
試合途中に写った「86年、ずっと信じてきたのよ!」というサインボードを掲げた
おばあさんのことを想うと俺達は偶然にもボストンにいれて幸せだ。

おばあさん、これでもう心残りになることはないでしょう。安らかに眠ってください。
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by fumiwakamatsu | 2004-10-21 15:15 | 雑記
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