歴史家は格が違う

相変わらず歴史資料を某水産系大学で漁る毎日です。

歴史人類学を専門としている人類学者以外は、大抵、関心のある現在進行形の事象が
過去からどう起って来たか、という程度にしか歴史を調べようとしません。つまり、過去の
ある時期にあった現象が、それより前の過去よりいかに起って来たか、という作業はいう
ほどしません。しかし、歴史家はそういう作業をします。そして文献だけに頼りながらも、
過去の時期にあった現象を”再現”するように物語を記述していきます。

これは思っているよりもはるかに難しい作業です。と言うのも、ある過去の時点で書かれた
一次的資料が見つかったとしても、その作者はどういう人物なのか、一体どういう状況で
書かれていたのか、そして書かれている意見なり主張なりが実際どういう政策的な実践に
結びついたのか、つまりその当時の時代背景を総て把握した上でないと、その一次的資料
が意味を持たないからです。詳細な時代背景を自ら調べていくとなると文献採集は延々と
続いていきます。自分のような素人にはそのような能力と根気がなく、結局はそのような
時代背景を説明できている二次的資料に頼らざるを得ません。しかし、二次的資料を
超えた範囲で過去のある現象を説明する必要があるとお手上げとしか言いようがないです。

従って、もう何週間も1910−1930年代の資料を漁るだけになっています。本当は他の時代
の事象にも移りたいのですが、資料不足もあり”裏”がなかなか取れません。歴史家は”裏”
を取る作業をどうやっているのか、本当に不思議で仕方ありません。「この当時にフィールド
ワークをしていた人類学者の民族誌でも見つかればなあ」と思う事しきりです。
[PR]
by fumiwakamatsu | 2006-12-14 00:10 | 文化人類学
<< 風邪とレズビアン キャンセル >>