Grade Inflation

アイビーリーグの大学では学部生の価値を下げないように成績基準を緩め、ほとんどの生徒
にAが与えられるという現象が起っております。良いとこ出のお坊ちゃま、お嬢ちゃまに悪い成績
が付こうものなら親からのクレームに曝され、寄付金も集まらないというわけです。その最も悪
しき例としてよく挙げられるのがうちの大学。「馬鹿でも金さえありゃ卒業できんだろう?」と世
間では冷たく見られております。

では、成績を与える立場の人間からして実際のところどうかと申しますと、答えはYes and No
です。講義式の授業や専攻の必修科目となっている授業では、大学院生がTA(授業補佐員)
として評価を行っているので成績基準は厳しく保たれています。この1年間で自分が担当した
授業では、ちゃんとできの良い生徒・悪い生徒を区別し、AからDまで満遍なく成績を配分しま
した。

しかし、高学年用の小さなゼミとなると基準は緩くなるようです。これは上に述べた理由より
も、生徒のレベルが確実に上がっていることに加え、生徒ー教授間の関係が密接になってくる
からでしょう。この点は日本の大学でも同じなのではないでしょうか?

ただ1つ言えるのは、この大学では異常なほど成績に執着している生徒が多いことです。これ
までの人生で常に成績優等生だったせいか、A以外の成績が付くのが考えられない、というよ
うな生徒がよくいます。

例えば先学期、ある生徒にA-を与えたところ「私の成績はAのはずなので成績を書き直して
下さい」とのクレームが来ました。こちらが丁寧に何が悪かったのか説明しても気に止めず、一
方的にAだと主張してきましたが、メールの遣り取りを5回ほどしたところで先方もようやく諦め
ました。

今日も同じようなことがありました。とても親しくしていた生徒が成績をメールで聞いて来たの
で、A-だと答えました。すると彼は担当教授に「フミは他のTFより成績基準を厳しくしていると
言っていたので、基準を公正にして下さい」と訴えたメールを送ってました。そんなことを言っ
た覚えはなく、なぜA-なのか説明したはずですが、それでも本人はAを取るのが当然だと
思っていたようです。親しく接してきたのもいい成績を取りたいがためだったのかな、と思い直
すと悲しいものです。

自分の経験から言うと、成績というのは努力に比例しているので、成績が悪ければ自らの落ち
度を認めるのが当たり前でした。むしろ成績が悪ければ次への改善点が把握できて良かった
のですが。

長々と書いて何が言いたかったのかと言いますと、グレードインフレーションが起こり得るのは、
ただ大学側の責任でもない、ということです。確かにうちの学部生の全体的なレベルは高いか
と思いますが、まず第一に謙虚さを学んで欲しいもんです。
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by fumiwakamatsu | 2006-05-31 15:52 | 雑記
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