愛犬家王国(その2)

昨日の話をしてから何だが、一般的にアメリカ人は犬を育てるのが上手いと思う。
こちらの犬は主人の命令を良く従い、他の犬とも喧嘩せず、人見知りしたり怯えたりする
ことも少ない。特に不思議なのは日本の犬のように小便をして縄張り争いをしない点だ。
これまでに3匹も犬を飼ってきたのに、ことごとくしつけに失敗しているので感心してしまう。

なぜここまで犬の飼い方に違いが出てくるんだろう?叱るのではなく褒めて餌をあげながら
育てるからだろうか?日本のように四六時中綱をつないで散歩するのではなく、大きな広場で
走り回り、犬のストレスが少ないからだろうか?自分が思うに、飼い主が幼少のときから他の
犬と交わる機会を増やし、ちゃんと犬を社会化させているのが大きな要因だと思う。

うちの大学のキャンパスでも夕方になると犬の散歩をしている人達でごった返す。
沈む夕日を背に、フリスビーやボールを追い駆け回るわんちゃんの姿はじつに牧歌的だ。
特に素晴らしいのは、飼い主同士が知り合いでなくても、お互い同意した上で犬を綱から
外し、一緒にじゃれさせて遊ばさせている点である。まるで団地の砂場で子供を遊ばせる
お母様方如く、他の犬達と混じり合わせる機会を進んで作っているのである。

つい先日、勉強で疲れたので図書館の外にある階段に座り休憩していたところ、
ある中年男女の飼い主がそれぞれの犬をじゃれさせようと綱を放そうとしていた。
一匹はゴールデンレトリーバー、そしてもう一匹は名前は知らないけど黒の大型犬だった。
綱に繋がれている最中から2匹ともお互いの顔を近づけてじゃれ合い仲が良かった。

飼い主達が笑顔で綱を放し、さあ、これから2匹仲良く芝生の上を駆け巡るのだろう!

と、思っていたところ、

ゴールデンレートリーバは即相方の後ろに回り、パコパコやり出したんである。

唖然として言葉の出ない飼い主達。せせら笑いながら通り過ぎて行く通行人達。

しばらくして「No! No!」と叫びながら2匹を離そうとするも、愛の津波に身を任せる
わんちゃん達は誰にも止められない。背に受ける夕日が波打つ金髪に反射し、
キャンパスのど真ん中で腰を振り続けるレトリーバー君は恍惚の表情をしていた。
普段は殺伐としているキャンパスにてかくも美しき愛のドラマが広げられるとは!

一仕事終えたわんちゃん達を綱に繋いだ後、飼い主達は交わす言葉も少なく
別方向へと去っていった。同じように図書館の階段から眺めていた見物人達は
腹がよじれるほど笑っていた。「ちゃんと去勢手術してたんかなあ?」と、自分は
心の中でいらぬ心配をしていたものの、いい気分転換ができて満足だった。

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我が家のゴンちゃんは頭を撫でようとすると噛みついてきます。
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by fumiwakamatsu | 2006-05-12 13:33 | 雑記
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