小説読めない病

論文ばかり読んでいると他のジャンルの本が読めなくなった。

もう完全にフィクションが嫌いになってしまった。
詩なら短くていいのだけれども小説は面倒くさいの一言。
お願いだから早く結論を言ってくれ、とイライラしてるうちに読み切らず諦めてしまう。

昔は物語の構成よりも文体の一つ一つに注意払って読んでいたのに。
例えば「サロメ」の中に「氷のように燃える真珠」なんて表現が出てきたときは身震いした。
川端康成の「山音」のなかで「夫婦というのはお互いの悪意を深めていく悪意の沼さ」という一文で道徳観がぐらついた。
今となっては信じられないが、よく「暗夜行路」なんて読めたもんだ。もし今読めなんていわれたら舌噛んで死んでやる。

「読む」という行為が職業となり常に批判的な姿勢でいると小説に心を揺さぶられることが無くなった。

じつはメルヴィルの「白鯨」を読んでから、その舞台になったNew Bedfordに遊びに行こうと思っているのだが、
これまた長くて退屈な小説なのでなかなか読み終われない。そして、New Bedfordに行く日がどんどん延期されていく。

感性よりも論理性を重視した人間になるって、悲しいことなのかもしれない。
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by fumiwakamatsu | 2004-10-06 11:17 | 雑記
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