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Dark Energy

今日はMITで教鞭を取っておられるC教授の講演に行ってきた。
タイトルは「日本アニメと著作権」。C教授は昔日本のヒップホップ
について研究されてたが、今はインターネット上で日本のアニメを
交換するアメリカ人のオタクについて研究されている。今日初めて
知ったのだが、わざわざ無償で日本アニメに字幕を付け、世界中
にファイルを流している集団がいるらしい。彼らの献身的意欲を説明
するために「Dark Energy」 (!)という言葉を使っておられた。

講演の内容はともかく、聴衆層がすごかった。この講演は日米関係
プログラムという官僚・学者の交流を図るために設けられたもので、
普段はとてもお堅い方ばかりで肩身が狭い。しかし、今日は「あんた
絶対大学の人じゃないでしょ?」というロン毛のおじさんや、女の子の
アニメキャラがプリントされたTシャツを着た太った青年など、まるで
アメリカ版秋葉原に紛れ込んだ気分になった。講演後の質問タイムも
余りにもテクニカルなアニメ用語が飛び交い、全く理解できなかった。
まさにDark Energyが渦を舞くような熱気だったのである。

「MITで日本のアニメについて教えていたらさそかし人気があるでしょう?」
と講演後にC教授に話しかけると、ずばり大盛況だそうだ。今年のゼミは
生徒が多すぎてくじ引きする羽目になったそうな。アニメというタイトルで
客寄せするのはせこい気もするが、需要に合わせるのも大切なんだろう。
(ちなみにうちでは「侍」というタイトルの歴史の授業がある。これも大盛況)。

話は変わるんだが、日本研究をする人類学者を見る限り、皆さんフィールドワーク
を行った場所の土地柄というか人柄というようなものが体に染み付いている気がする。
担当教官はたしかに下町気質だし、ホステスクラブを研究されていたA教授もしぐさが
とても優雅だ。そして、このC教授は声がでかく話し方ものりのりである。クラブで調査
してたから大音量に負けずに話す癖が染み付いたそうな。一種の職業病ですな。
by fumiwakamatsu | 2005-10-19 10:10 | 文化人類学
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