二週目にて

TF2週目を終えて明らかになってきたのは、
生徒は読まされる本をいかに批判するかで
才能が発揮できると思い込んでおり、自分はいかに
本の内容に説得力があるか擁護する立場に回るので
見事に対立構造が出来上がってきてしまったことである。

今は「文化」という分析概念と「民族誌的手法」という
調査手段がどのように有効でありどこに限界があるか
ということを必死になって教えている。一番の問題は
古い本だからと言ってその内容が完全に否定される
わけではなく、その当時の時代背景、理論的土台、
そして著者がどのような主張に対立して新たな主張を
提示しようとしていたのか、を明確にした上で批判的な
眼差しを向けさせることだ。「民族誌的権威」や「再帰性」などの
言葉を簡単に使って優越感に浸ってもらっては困るのである。
過去のある分岐点で人類学が間違った方向に進んでしまった
と言うのならば、一体どのようにして間違いではない方向に
進めばいいのか、まだ同じ間違いを今でも繰り返していないか、
という点まで能動的に考えさせなければいけない。

まあ何はともあれ、挑発的であっても夢中かつ真剣に
議論に参加してくれているのは嬉しい。あとは、たとえ
入門コースと言っても生徒の知識にばらつきがある
ので、初めて人類学に触れて議論中に怖気づいている生徒達
をいかに取り込んで行けるか、という点だ。

しかし、教えるって体力がいるもんだ。木曜日の夜は疲れ果てて
何をする気にもなれない。やることは山積みなんだけれども。
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by fumiwakamatsu | 2005-10-08 03:23 | 雑記
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