TF

今学期からは担当教官の授業をお手伝いして給料を貰うようになる。
その授業はズバリ「社会人類学入門講座」。これから人類学を専攻しようかな、
と少しでも思っている生徒が来る(と思われる)。そして、そのうちどれくらい実際に
人類学専攻にさせることができるか、というのが自分の使命だと勝手に思い込んでいる。

具体的に何をするかと言うと、週2回ある教授の講義の準備やテストの採点を行う上に、
クラスを少人数のグループに別け、講義の内容を復習するためのディスカッションを
週1回統括する。おそらく50人程が履修すると思われるのだが、もう1人の院生と分担して、
2つのグループを受け持つことになる。つまり教授は講義の内容だけに集中し、後は金の
無い院生が生徒の面倒を見て給料を貰える、という上手い仕組みになっているわけだ。

昨日からTF(=Teaching Fellows=授業補佐)のガイダンスを受けているんだが、
思ったより大変そうだ。授業に使われる本を読んだ上で、ディスカッション用の
質問を考え、おまけにレポートを細かに採点しなければいけない。さらに学期中2度も
アンケートで生徒に評価されるので(しかもその内容次第で今後採用されるかが決まる)、
いい加減にすることもできない。しかも、相手はハーバードの学生なので、もしすごい
頭が切れる生徒に反論されたらどうしよう、という不安もある。自分の英語も心配だ。

まあ、しかし、知識的には学部生に負けていないので何とかなるだろう。一番の課題は、
最も退屈だと思われるような分野をいかに興味を持たせるように教えることができるか、
である。先日、担当教官と軽い打ち合わせをしたのだが、彼はその代表格であるKinship
(親族関係)に最も力を注ぎたいそうだ。母系社会、交叉従姉妹婚、宗族などなど、普段
聞き慣れない専門用語がわんさか出てくる上に、人類学では最も”科学的”かつドライに
研究が進められた分野だ。レビーストロースの「親族の基本構造」は混乱させるから
読ませないと仰られたのが唯一の救いだが、自分でもどうモチベーションを高めて
いいのかわからないので困っている。どうすれば「これがわかるとこんなことまで
わかるんだぜ」という意外性を持って教えることができるか?うーむ、難しい。

まあとにかく、熱意と論理性を軸に頑張ろう(”頑張ろう”という言葉は”考える努力を
怠ります”と表明しているようで嫌いだ。でもそうしか言えないときもあるんだよなぁ)。
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by fumiwakamatsu | 2005-09-15 14:31 | 雑記
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