ピンからキリまで

ハーバードの学生は当たり前だけど皆賢い(自分は疑問形)。
賢いのは当たり前なのだが上を見ると切りがないほどずば抜けている連中がいる。
例えば去年まで医療人類学の修士をしていたS。授業の休憩時間に何やら数式が
つまったテキストを読んでいるので、話をしてみると医学試験の準備をしているとのこと。
彼女はテキサス大学の医学部に在籍する中うちの医療人類学の1年コースを履修していた。
あり得ない量の宿題に追われているはずなのに、彼女は見事試験に合格し現在は外科医として活躍している。

また、博士過程1年のDはロースクールにも在籍している。2年間のコースワークを終えた後には、
ロースクールに戻り司法試験の準備をするそうだ。「弁護士と人類学者ならどっちを取るの?」と聞くと、
「中東(彼の専門地域)で司法カウンセラーとして働いた後に大学の教授職に着ければいいんだけどね。
まあ教授職が無理ならしがない弁護士にでもなるよ」とのこと。弁護士を”しがない”と言い切れるのがすごい。
学部時代ですでに有名な雑誌に論文が掲載された人や、物理の博士号を取った後にうちに来た人など、
例を挙げると切が無い。人生経験の豊富さ、知識量の多さ、表現の巧みさ、どれを取っても周りの学生に感心してしまう。

というようなことを同期のEと晩飯を食べながら話していた。Eは自分と同じく直接学部から院に来た若年層。
「何言ってんだよ。俺も働いてないけど経験は豊富だぜ。去年の冬に実家に戻ったときは逮捕されたからな!」
メキシコとの国境の街に帰省したEは、友達とメキシコのクラブで馬鹿騒ぎした後、飲酒運転を理由に
アメリカの警察に拘留されたそうだ。どうやら夜中に越境を試みたメ不法移民の疑いをかけられたらしい。
次の日は丸一日拘置所に閉じ込められ、ようやく両親が潔白を証明してくれて夜には解放された。

「拘置所では他の犯罪者と一緒に入れられてたんだぜ。麻薬の密売で捕まったおっさんに『お前、職業はなんだ?』
って聞かれたから『ハーバードっていう大学院に行ってます』って返事すると『なんでお前みたいな奴がこんな
ところにいるんだ!?』って驚かれちゃったよ。他にも窃盗や家庭暴力で捕まったおっさん達に説教されたよ。」
「そのまま拘置所でフィールドワークすれば良かったのに」と言うと、「馬鹿、俺の担当教官が知ったら怒り狂うぜ。
あ、だからこの話他の奴には一切口外禁止な。まだ退学したくないから」とのこと。彼は別の意味で経験豊富だ。

まあこんな馬鹿な話をしながらも、その後は拘置所における身体の統制についてフーコーを交えながら語るEだった。
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by fumiwakamatsu | 2005-04-29 13:02 | 雑記
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