皿
皿皿皿皿皿皿皿皿皿皿皿皿皿皿皿皿皿皿皿皿皿皿皿皿皿 倦怠 額に蚯蚓が這ふ情熱 白米色のエプロンで 皿を拭くな 鼻の巣の黒い女 其処にも諧謔が燻つてゐる 人生を水に溶かせ 冷めたシチューの鍋に 退屈が浮く 皿を割れ 皿を割れば 倦怠の響がでる 高橋新吉 日本のダダイズムというとすぐに太宰が思い浮かぶかもしれない。 でも、太宰は所詮地方地主のおぼっちゃまがダダイズムを表現したに過ぎない。 この詩を読むと生活そのものが精神の荒廃を生んでいるのがわかる。 そして、絶望と虚無感と嘲笑が、積み上げられた”皿”のように重層化している。 重ねようが、壊そうが、生まれるのは倦怠だけだ。 全く逃げ場のない日常だ。 「詩学とは何か」、「芸術とは何か」、なんて空論をする人間の 首の根元をガッって掴んでくれるこの詩が好きだ。
by fumiwakamatsu
| 2004-09-13 08:35
| 雑記
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