エンジン始動

今日は一ヶ月ぶりにTed(担当教官)と会ってきた。

オフィスに行ってノックをするといきなり中から犬が吠えてきた!
何事かと思えば、「ああ、すまん、すまん」と短パン・TシャツでTedが出てきた。
うちの学科の教授は自宅で飼っている犬を平気で学校に連れてくる(たぶんハーバード内でも人類学だけだと思う)。
Tedは今年から学科長になるというのに、これで大丈夫なのか?と心配するほど威厳がない。

まずはこの夏の成果を報告。
一応、捕鯨について書いた20枚のレポートを提出し要旨を口頭で伝える。
そして、調査捕鯨船に乗るために作ってきたコネを報告。
「まあ、1年目にしてはまずまずだな、後は本を読んで理論的土台を固めなさい」と言われホッとする。

そして、話は来学期のことに。
-日本語文献を調べて欲しいので正式にRA(研究補佐)として雇いたい。
-3月にあるJAWSという学会で論文を発表できるようにしなさい。
-NewBerryという漁港に一緒にいって日本人のマグロのバイヤーを一緒にインタビューしにいこう。
-来週月曜日に学会があるからその準備を手伝ってくれ。
-来学期は日本の人類学というゼミを教えるので取りなさい。

などなど、考えてもいなかったことをポンポン告げられた。

こういうことを書くと、大学院生って教授のいいなりなんだね、と思われるかもしれないがむしろとても嬉しかった。担当教官に酷使されるのが当たり前と思ってやってきたのに、去年は何も言いつけされなくて、「1年目にして俺は使えない教え子として見られているのか」と嘆いていたのだ。去年1年はコースワークの大変さを慮って気を遣ってくれていたのだろう。

何よりも嬉しかったのは、一緒にフィールドワークに出かけようと誘ってくれたことだ。

Ted曰く、「漁業に携わる人間はアメリカでも日本でもヤサクレどもが多いからインタビューの練習をしなきゃだめだ、上智から来たおぼっちゃまには入りにくい世界だからな」だ、そうだ。
人類学者というのはアマゾンの首狩族とも友達になれるほどの社交性が必要だ。しかし、自分は図書館に篭りがちな人間なので、社交性の無さに正直危機感を抱いていた。それをTedは察してくれたのか、以前にホームレスを研究しようとしてたときも、知り合いが運営するシェルターにインターンシップで働かせてもらえないか頼んでくれた。知識だけでなく、実践力も鍛えようとしてくれるのだから有難い。

最後はオフィスを出るときにこう言ってくれた。

「Fumiが捕鯨についてやりたいと言って来たときには止めようしたけど、考えているうちに、いい研究になりそうだと思えてきたよ。むしろ、わしが捕鯨船に乗りたいくらいだ。」

上智にいたときもそうだったが、本当に素晴らしい担当教官に恵まれて勉強してきた。
自分の才能なんて雀の涙しかないのに、それを根気よく最大限にまで伸ばしてくれる教授達と出会ってきた。
全くもって幸せ者だ。
将来は彼らと同じような研究者・教育者になって報いたいものだ。
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by fumiwakamatsu | 2004-09-11 14:39 | 雑記
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