人類学部番付

この前、日本人の人類学者の方と話をしていたときにうちの学部には一流の教授がいない、という話になった。
一流の基準を決めるのは難しいけど、各分野では有名でも人類学者なら誰でも知っている、というような教授はうちにはいない。

じつは以前、C教授と話をしていたときに
「もし3人の人類学者に講演してもらうなら誰を呼びたい?」と聞かれ、考えさせられた。
C教授は人類学概論の授業に講演者を呼び、各生徒にその講演者の著書の批評を発表させるのを必修にしている。
ちなみに自分達の学年のときはStanely Tambiah、Michael Fischer、Kath Westonだった。
「うーん、GeertzとSahlinsとTaussigですかねぇ。皆さん高齢ですから死ぬ前に是非お話を聞いてみたいですね」と答えると、
「前者2人はすでに呼んだことがあるから駄目、Taussigはうちの教授陣と対立しているので呼んでも来ないよ」と言われた。
うちの教授陣と対立してない人ならば、ということでSherry Ortner、Lila Abu-Lugh、David Scottと名前を挙げると、
「そんなにコロンビア大から教授を呼ぶと私達の面目がなくなるだろう?」とまた反論されてしまった。

今一番人類学でホットな場所はコロンビア大だと思う。
アメリカ人類学の創始者、Boazが教鞭を取っていただけにコロンビアは人類学の大御所だった。
しかし、70年以降になってシカゴやミシガンが隆盛を極めてコロンビアは影に隠れていた。
でも、どうやらここ数年になってシカゴやミシガンから有名教授をスカウトし、
もうコロンビアの教授の本ならほぼ全員読んだことがある、という具合だ。

その次にいい大学と言えばCUNY(ニューヨーク州立大学)とスタンフォード。
CUNYはDavid Harvey、Tatal Asad、Setha Lowなど引退間際の有名教授を集めている。
スタンフォードは、Akhil Gupta(CNNで医療関係の番組専門記者Gupta医師という人がいるんだが顔似てるし兄弟では?)、
James Furgeson(この人のAnti-Politics Machineという本が大好き。去年上智に講演しに来た。)、
あとジェンダー論で有名な日系アメリカ人Christine Yanagisakoがいる。

3位は、ニュースクール大学。ここはAjun Appaduraiという人類学者が学部長を務めてから
Adriana Petryana、Louic Wacquantなどの若手で勢いのある学者をスカウトしているようだ。
うちの若手、Ho教授も去年スカウトされかけたそうなんだがなんとかハーバードが大金払って食い止めた。

こう見るとNYにいい学者が結集しているようだ。やはり金があるところにいい人材が移るのだろうか。
ただ、有名教授がいるから大学院としていいかどうかは知らない。奨学金がどれだけ出るか、教授との距離がどれだけ近いか、
生徒間に無駄な争いはないか、という話ならうちはかなりいい場所のように思える。
大学院まできたら個人の実力の差しかなくて、大学の名前なんて関係ないだろう。
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by fumiwakamatsu | 2005-01-05 13:13 | 文化人類学
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