やっぱり

ゲルマンとは永遠に平行線をたどりながら議論することになった。
きっかけは「トルコがEUに加盟すべきかどうか?」という爆弾に触れてしまったこと。

「EUは政治・経済だけでなく文化の共同体でもある。したがって、その調和を乱すほど文化が違うトルコは受け入れられない。
じつはキリスト正教を信じる東ヨーロッパも加入させたくなかったが奴らは地理的にヨーロッパなのでまだ許してやる。」

ちなみに彼(37歳)のバックグラウンドを説明しておくと、ドイツのケルン大学でビジネスのPhDを取得し、
今はエディンバラ大学で助教授をしている。そしてドイツ・日本・アメリカ三国のエリート企業における人材資源運営を比較研究している。
究極のところ3国の違いは文化に基づいた国民性の違い、という結論に至ったらしい。

さて、反論として、
「たしかに諸々の条件でトルコが加盟すると既存のEU加盟国にとって不利益かもしれない。
しかし、国民=同じ文化を共有する、と簡単に結びつけ、文化という単語を使って排他主義を唱えるのは反対だ。
文化の違いとは現実に存在するとして考えるのではなく、国民性の差異を強調することで特をする人間が使う言説に過ぎない。」

もうこの後は書くのも面倒なほど議論がもつれた。
文化の定義は何だ?国民性とはいかに社会的に構築されたんだ?一体誰の利益にかなってそんな言説が唱えられるんだ?
お前は社会主義者でフーコーが好きなだけだろう?そういうお前こそ偏狭な愛国主義者じゃないか。

などなど、3時間ほど大声で議論していた。
いつもは対立するロシア人のルームメイトもこのときばかりはこちらに加勢して
2:1でゲルマンと戦っていた。もうこっちは人類学の本(Gellnerの”Nations and Nationalism”や
ドイツ人の知的階級がいかに他国との劣等感を感じて芸術や言語や宗教などの”理性とは対立するもの”に文化を見出そうとしたか、
を説明したKuperの”Culture”)などを引用して、議論するまでになった。
お互い全く引かなかったので、結局風邪気味の彼が眠りたいと言い出したところで修了。

まったく、こうなるとは彼が来る前から予測できたんですよ。
まあ楽しいので悪くはないんだが。
でもこんなクリスマスの過ごし方ってどうよ?

明日はゲルマンと一緒にボストンの教会でクリスマスソング聴いてきます。
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by fumiwakamatsu | 2004-12-24 16:58 | 雑記
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